心の中に、これまで得てきたものをたくさん持って入るのなら、狭く暗い道も怖れることはないんです。想像の力で、暗い道を明るく照らすことができるんです

文学少女最終巻が発売していたのを知りませんでしたと。というかwikiには「2008年9月11日発行」とありますし、この本の裏にも「二〇〇八年九月十一日」 初版発行 とあるのですg(ry そろそろ髪が伸びてきて鬱陶しいので床屋に行った際、その近くかつ、エコポイントが100ポイント期間中に二度も買うものがあるのに逃していたのがなんか悔しかったので「神様ゲーム」の番外編的なやつ神様もゲームとか辺りを買ってこようかと思って寄っていっておいていないorz 的な状態でなんとなく新刊のところを見てようやく気づいたと。



自分が半分以上自費かつ新刊で買った漫画やら小説(ハリポは親の負担)で完結しているシリーズは今のところない(ひぐらしは全部通してのシリーズとみなした場合。鬼隠し等のそれぞれなどの場合でしたら当然終わっています...と言っても途中までこれも中古だった気もしないことm(ry)ような気がしているので貴重な種類と思ったりもしましたが、よく考えたら8冊中5冊中古だったり。まあ、ひぐらしやらハガレンやら終わりが見えてきている作品があるので自分が成人するまでにはどうでもよくなることでしょうが。

前半は上巻の最後で流人が言ったとおり、小説を書こうとしない心葉に対して、彼が仕掛けてくると。
ななせを襲い、竹田さんの知らせでなんとかかけつけ、怒って殺すかもしれないと脅しをかける心葉に対して

「そいつでオレのこと、殺してください。でないと、何度でも同じことしますよ? 本当に、心葉さんの大事な琴吹さんのこと、壊しちゃいますよ。だって、琴吹さん、邪魔っすから。とっとと心葉さんの前から、消えてほしいってマジで思ってますから」


それでそのまま思い悩み、怒りに流されそうになる心葉だけど、

「ダメッ!」「井上は、あんたの言うことなんかきかない! あ、あたしだって―――あんたがなにしたって、絶対に井上と別れないからっ! こんなの全然大したことないっ。あんたになんか、怯えたりしないっ! あたしは、この先もずっと井上と一緒にいるんだから!」「……この前、言ったこと、本当だよ。井上が好き……。あたしは、井上の側にいる」

とのななせの言葉で止まると。いや、本当ななせがよすぎます。ええ。

それからしばらく流人を警戒しているなか、またも学校に流人が来ると。しかし、向かう先はななせのところではなく麻貴先輩のところで、しかも「なんで、妊娠したこと黙ってたんだ! 関係ないって、どういうことだよっ!」

とのこと。まさかのこの二人が付き合っていたとか...自分の子供だと確認しようとし、生むのかと返事を求める流人に対して

「おたくには関係ない、これはあたしの問題よ」「あたしのことは、あたしだけが決めるわ。今もそう、これからも先もずっとそう。だから、帰って」

と言われる。そして、生むなと必死に叫ぶ流人を高見沢さんが連れて行く。しかも追い出された流人は今度は心葉の家に。
酒を飲んで、酔っ払ってないて思っていることをぶちまける。
自分が父親の生まれ変わりで、その父親の記憶を持ち、遠子先輩の両親が死んだのは自分のせいだと信じて、また繰り返すと思っている彼は、誰かに殺してほしいと、そしてまたどこかで断ち切らないといけないという。

正直、今までのこととあわせて勝手だとしか自分には思えないと...

その後、心葉とななせのデートの日、流人から遠子先輩を助けてほしいとの電話が。嘘かもしれない、そう思いつつも今まで以上に必死な彼の口調に心葉はななせを芥川に頼んで、向かってしまう。行き先を叶子おばさんに聞いて、向かった先で遠子が母親の墓参りに来ていることを知る。

その帰りに、小説を書けばどこにもいかないでくれるのかと問いかける心葉に対して、遠子先輩は「もう、いいの」と答え、心葉喪失感を感じる。


その後、芥川の家でななせや美羽と会い、「怒ってるの……たくさん、だから一生じゃないけど……っ、しばらく、あたしに話しかけないでっ」と言われ、別れ際にホワイトデーに、ななせと名前で呼んで欲しいと、そうすれば信じると伝えられる。

翌日の放課後麻貴先輩が流人、そしてかつて蛍を死なせた黒崎保に怒りを見せる。
「死なれてたまるもんですかっ! 手が腫れるまで何度も引っぱたいて、叱りつけてやったわ。死ぬなんて絶対に許さない! 蛍のことを想いながら! 死ぬより辛い苦しみを味わいながら! 重ねた罪に押しつぶされて息ができなくなっても、行き続けなきゃならないのよっ」

折れることのない彼女の強さに、心葉はうらやましさを感じる。

さらに、人が変われないのかと言った心葉に、それはかつて変われるかもと希望を持たせたことに対する裏切りだと竹田さんは言って、
「今度はあたしが心葉先輩に、教えてあげます。人は変わるんです」と言い以前人を死なせて、そのことの真相で壊れかけた関係になった添田さん夫婦のところに連れて行く。2人は子供の存在で繋がれていて、そこで赤ちゃんの顔をのぞいて、普通に、幸せに笑っているかつて死なせてくださいといっていた竹田さんを見て自分も、変わらなければならないと感じる。

翌日の放課後、美羽の病院にお見舞いに行き、「コノハの小説は、あたしを救いもしたのよ(途中略)コノハがくれたあの言葉は、とても、とても、綺麗だった。きっとこの先、辛いことがあったときに、思い出すわ。そうして、また頑張ろうって思えるわ」
と告げられる。その後、彼女と芥川くんの会話でひとつの想像が思いつき、流人に会おうとする。



そして、彼と会うも、誰も殺してくれないとか猫が見えるとかで道路に向かっていく...ところを現れた竹田さんが刺すと...いや、真面目に怖かったのですが。


そのまま入院へ。心葉と遠子は叶子を呼びに行くが、締め切りだと言ってこようとしない。けれども懸命に説得し、過去の事件の真実を、子供に、何がわかるのかと言われたことに自分が知ったものを伝えようとする

「心の中に、これまえで得てきたものをたくさん持って入るのなら、狭く暗い道も恐れることはないんです。想像の力で、暗い道を明るく照らすことができるんです。それはぼくが十七歳で、なにもわかってないだけかもしれない。。あなたの言葉のほうが正しいかもしれない。門の向こうには、真っ暗な道がどこまでもはてしなく続いて、想像することすらできない絶望が、待ち構えているかもしれない。 けど、十七歳のぼくは、『狭き門』を読んで、そう感じました。 これが十七歳のぼくが考えて、つかんだ、今このときのぼくの真実です」


そして、結衣の物語を書くのは叶子だと告げる。

遠子も流人が叶子を好きだったと伝え、叶子さんは病院に向かう。

心葉が成長したなと思うところですね...その前ので今まで関わってきた人を見たことで中途半端で止まっていたところから一歩進めたって感じですか。

で、病院の方は流人と竹田さんがフラグ成立と。もとから付き合っていましたが、浮気禁止令がでましたよと。
ここでも竹田さんが怖かったりも。ヤンデレにレベルアップしていますね、彼女。

それを見た麻貴先輩も自分の進む道を心葉に宣言する。最初はこの人好きじゃなかったんですけど、話が進むにつれてだんだんよく思えてきましたね...

そして、心葉は遠子のために小説を書くことを決める。完成したのは、そして卒業式はななせとの約束のホワイトデー。
心葉はその小説を破ってというななせに、無理だとそして付き合えないと、告げる。そして、一つだけ願いを言われる。名前を読んで欲しいと。
そして、別れ際になきながら

「そっか……。あのね、あたしも『狭き門』を読んだんだよ。それだけ……言いたかったの。なんのことかわからないよね。いい
の、わからなくて、じゃあね。教室でね」と言う。

森さんも、「ななせをバカにするな」と殴られ、「ななせは井上くんのことが、ずっと好きだったんだよっっ!」と言われる。彼女の目も涙が一杯でしたと。

ななせが可哀想だと本気で思いましたよと。文学少女で一番好きなキャラが彼女なので多少贔屓目による補正がかかっているかもしれませんが、それを抜いても本当に...メインヒロインにはかなわないサブヒロインといったところなのかもしれませんが...それでも幸せになって欲しかったキャラクターです。一応後一回出番があるのでそちらで後一回軽く書きます。

そして、心葉は遠子に卒業祝いとして、その小説を手渡す。合格したら報告に来てくださいとの約束をして。

終業式の日、心葉は遠子を文芸部の部室で待つ。寝てしまうが遠子が本を食べる後で目を覚ます。遠子は以前心葉が上げた本の最後の一冊を食べ終えたところで、その顔はいつも本を食べているときと違い、哀しそうであった。

心葉が書いた小説がまだ残っているのを見て、食べてほしいというものの食べちゃいけないと言われる。その理由を尋ねると

「わたしが``文学少女"だからよ」と、「みんなに見せなきゃいけないお話だから」と言われる。そう言われても、食べて欲しい。そう懇願する心葉に遠子は、「心葉くん、きみはわたしの作家になっちゃダメ。みんなの作家になって。きみは、それができる人だから」と、告げ、さらにもう会ってはいけないと、もう泣かないと約束して欲しいと言って、心葉も泣きながらそれを誓う。

そして、二人はキスして、分かれる。そこには遠子の手紙が残されていて、今まで謎だったことが書かれている。

それを読んで心葉は決める。

 もう、泣かない。
 ぼくはこれから、道化のように、哀しみを隠して笑おう。
 ときに幽霊のように渇望し、ときに愚者として決断し、堕ちた天使のように穢れにまみれても、月と花を胸に抱いて、聖地に向かう巡礼者のように歩き続けよう。
 そうして、神に臨む作家になろう。
 真実を見つめ、そこに想像という名の光をあて、新しい世界を創造する、そんな作家に。


今までのタイトルを使っていることから分かるようにここで次へと歩き出したところだと思います。叶子さんのところでは他人に対する証明、そしてここからはそれをばねにした自分自身で自分に示す一歩目のように感じます。


そして、エピローグ

卒業式から6年が経ち、また歌うようになった臣くんの公演を見に行く、ななせを見送りに行くところから始まると。
彼女はOLになったそうですと。そして、今でもクリスマスに亡くなった親友からメールが届いている。送っているのは書かれている通り臣くんでしょうと。

そこで

「あたしは井上の彼女のじゃなくなっても、井上を想い続けようって。あのときあたしも、『狭き門』をくぐったんだよ」と卒業式の日の狭き門を読んだということについての意味を説明する。ええ、ななせは一途過ぎます。繰り返しになりますがもっと報われて欲しかった。最初は心葉は好きなのにその気持ちを隠そうとして、嫌っている振りをしてしまう不器用さから、後半の頃の心葉のためにと怖くても頑張っているところかも可愛すぎでした。

その後は他の主な登場人物の進路が書かれている。よく覚えていないし、確認していないので違うかもしれませんが、麻貴先輩の結婚相手は黒崎かな? 子供の名前が蛍なことも考えて。ちなみに流人との子供は悠人という名で、顔が流人似で、性格が麻貴先輩似だと。なんかいろんな意味で最強そうな子供だなあ...

流人は気ままにで、竹田さんは中学校の先生...本人の願い通り変われたと見ていいんですよね?

芥川くんは公務員、美羽は福祉関係の仕事...同じ行に書いてあるけど、二人のその後の関係が書かれていないからどうなったのか気になったり。

叶子さんは、今までと違い、甘く優しい、神聖な物語で海外の文学賞を受賞したと。

そして、作家として書き続けている心葉が最後に新しい担当の人を待っていて、その人、遠子が来るところで終わると。美羽とかのコメントからもしかして遠子は本当の意味で消えちゃったりとかするのかとも思いましたが、そういうことがなくてよかったです。

この巻全部を通してとしては多少無理につなげすぎたところもある気がしますが最終巻としては悪くない終わり方だと思います。基本的にハッピーエンドのが好きなので、主要人物で最終巻で亡くなったり、消えたりした人がいなかったのはよかったかな。